第二部:患者実例紹介

「症状や診断と、休職、退職、復職時のサポートについて」

第二部では、患者当事者三名による実例発表を行いました。

「診断がつくまでの経緯」
「発症以降の症状状態」
「現状の生活状態」
「必要なサポート」
など、主に医療関係者や職場の方、ご家族など、「当事者以外」に慢性疲労症候群の特徴を知っていただくことを主眼としました。



患者さんは、症状の辛さ以外に、「生活の困難さと体調程度が理解されない」「必要な社会支援が受けられない」などの大きな困難を抱えています。

「家族や職場に、いくら説明しても大変さが伝わらない」「(医師などに)精神的なものだ/怠けだといわれる」「慢性疲労症候群は、障害年金/障害者手帳の申請ができないといわれた(※実際は症状程度次第で受理されうるものです)」などの声を多く聞きます。

ごく一部の事例にはなりますが、患者さんの生活実態をお伝えすることで、少しでも周囲の方に、慢性疲労症候群の病態理解をご理解いただければと思い、このパートを設けました。

病態理解が、ひいては患者家族や職場の方々の不安や困難の軽減新規発症者の早期発見・早期療養につながってくることもあわせて願っています。

■当日発表内容

1:休職後退職事例

2:休職後復職(時短勤務)事例

3:発症後長期経過(休・復職、離職・再就職)後、重症化事例


 

女性、41歳(発症時33歳)、基礎疾患なし。自宅療養7年目。

2007年はしかに罹患。40度超の発熱で入院。その後不調が続く。2009年燃え尽き症候群診断で休職。2011年慢性疲労症候群診断がついた後、退職。その後復職できずに現在に至る。
自宅内は徒歩移動だが、月数回の外出時は電動車椅子必須。

発表内容はこちら

 

女性、30代、基礎疾患なし。2度の休職を経て、現在時短勤務で就労中。

2007年12月頃発症。深夜残業が続く中、数週間のうちにだんだん起き上がれなくなる。当初は「うつ病」と診断され休職加療したが、症状改善なし。後日CFS診断がつき、身体面の就業配慮を受け、現在週5日1日4時間の時短勤務で就労中。
移動には電動車椅子を使っている。

発表内容はこちら

 

女性、37歳(発症時20代)、基礎疾患あり(小児橋本病)。自宅療養3年目。

小児で橋本病を発症(10歳で診断)ホルモン補充療法開始。
2001年、39°C台の発熱が3-4日続いた後、就労中に徐々に体調悪化。2013年4月慢性疲労症候群診断、現在寝たきりの生活を送る。

当日は、ご本人が外出困難なため、代読と本人音声録音による発表。

発表内容はこちら